ワタクシが常々お世話になっている方々にライフスタイルやインテリアについてお話して頂きました。 ゲストインタビューへ
くうかんてきせけんばなし
空間ゲストインタビュー

Yuuさん
バリアフリーについて
Yuuさんは
住宅リフォームの第一線で活躍されていた一級建築士・インテリアコーディネーターでいらっしゃいます。
最近お怪我をされてしまったようで、実際に経験した車椅子の生活や、バリアフリーへのリフォームとその背景についてうかがってみました。

おそれいりますが 怪我について 事故の経緯を 簡単に 教えていただけますか?  階段からこけて落ちました(笑)あと2段というところだったのですが蹴上げの高さの違う段があって、そこで転びました。

左足首靭帯損傷で、すでに半年経過。最初の2ヶ月は車椅子で、その後数ヶ月松葉杖で暮らしています。


ご自宅では どういった バリアフリーの仕様に しているのですか? うちはマンションなのですが、一度スケルトンにして床組、間仕切り、開口など新しく作りました。床は段差や敷居をつけずに、全てフラットにしてあります。幅木は輸入物の高さの高いものを使用し、廊下にはリビングの入口の前で車椅子でもUターンできるように踊り場を作りました。

後はまぁ手すり下地を入れておいたり、開口幅を85センチ以上にしてある等です。

しかしやはり自分がここに一生住むという確信が無いことと、実際バリアフリーが必要になるような実感がまだ無いこと、そしてこれからどういう状況でバリアフリーが必要になるのかもわかりませんので、所謂一通りやってある・・・という程度の内容です。
車椅子での生活を経験して まずは、車椅子の操作に慣れないので、あちらこちらにぶつけまくってしまいました。幅木や枠回りは米ツガを使用しているのですが、柔らかい性質の木の為に車椅子をぶつけて傷だらけになりました。

またキッチンは絶対オープン式が良いですよね。うちはセミオープンなので、キッチンの中でUターンするのにぎりぎりのスペースしか無く、冷蔵庫にぶつかりまくり、でこぼこになってしまいました。

床はフローリングで、車椅子の操作はし易いのですが、床に一部ラグマットがひいてあります。そのマットは毛足も短く、固い物で上を走行するのに特に問題は無いと思っていたのですが、ある日カーテンをしめようと窓際に近寄った時に、ラグマットの端とTV台の角に車椅子がちょうどすっぽりはまってしまい全く動けなくなってしまいました。

私は左足以外は大丈夫でしたので、なんとか車椅子から這い降りてひっかかった部分を外し脱出したのですが、こんなものが障害物になるとは思いもよりませんでした。

他に助けを呼ぶ人もおらず、一人でそういう状態になるのはとても不安で、一時はパニックにもなりました。もし両足不自由だったら、手が動かなければ、誰かに気付いて貰えるまでそのままになっていたかもしれません。

ただ車椅子を降りて床に座ったりする場合もありますよね。そういう場合も考えて、床にカーペットのような柔らかい部分は必要だと思うのです。フローロングに直に座るのでは冬場は辛いものがありますから。

そうなると・・床に最初から段差をつけずに、座る部分だけカーペットを敷き込んで、それが簡単に交換できるようにする、というほうが良いかなぁなんて考えていました。

またちょっとした事なのですが、松葉杖の時、ベッドの脇にいったん松葉杖をたてかけてベッドに登るわけなのですが、その松葉杖をきちんと立てかけておく場所があると良いですね。いったん床に松葉杖が倒れてしまうと拾うのがすごく大変でした。

家の中ではこんな感じでしたが、うちのマンションは古いせいもあり共有部分がバリアフリーになっていない部分があります。ですから車椅子の間、そして松葉杖の間も介護者無しでは一切外出できませんでした。
バリアフリーにリフォーム という時に 問題になりやすいことは なんでしょう? リフォームのバリアフリーには色々な問題が発生します。大抵の場合、ご家族皆さんでの共同生活になるわけですから、みんなが暮らし易い家でなくてはならないわけです。

しかしリフォームでは全面的な改装を行う場合を除き、部分部分での改装になりますので、そのあたりが問題になってきます。

例えば階段昇降機をつけても階段幅を広げる工事まではなかなか行いませんから他の人が上り下りする時に狭く危険になってしまったり、便座の高さを上げると他の人が脚が届かなくて使用し難いという事になってしまう場合もあります。

また当然出入り口は引き戸になるわけですが、引き戸は気密性が低いためにプライバシーについて問題になったこともありました。

個人住宅の場合、そこに住んでいらっしゃる人の感情の問題もあります。

家の中を自由に動き回れるようなまでの間取り変更はリフォームですとかなりの高額になります。つまりバリアフリーにどこまでお金をかけるのか、という問題が発生するわけです。中には家の中を動き回られるのを嫌い、家の奥のほうの一部屋に閉じ込めるような設計を希望される方もいらっしゃいます。
高い巾木と手すり兼用のニッチそれに住みながらの工事も多いために、住んでいる方に大きな負担になってしまう事も多いのです。

主役はその家に住んでいらっしゃる方々全員ですから、家族全員が暮らしやすい家になるように考えていかなくてはいけないのですが、なかなか難しい問題だと思っています。

ただ状況にも寄りますが、トイレなどはやはり寝室の中にあるほうが良い場合が多いですね。押入れなどを改装して専用トイレにしたりは簡単にできますので、専用部分、そしてみんなとの共用部分の両方を持つようなプランで考えていくようにすれば良いのかもしれませんね。
バリアフリーにするときに  気をつけたほうがいいことは なんですか?は介護士さんや病院、リハビリテーション施設からの依頼を受け、一時バリアフリー工事を専門に行っていた時がありました。

それらはもうすぐ明日にでも工事をしたいと言う切羽詰った方ばかりでした。
とにかく病院から退院したらすぐに暮らせるようなリフォーム工事を必要とされていたわけです。

しかし、退院されても結局病状が進行し、工事したものを使うこともできないままでいらっしゃる方も沢山いらっしゃいました。また、浴室リフト等は、介護する側の負担が大きすぎて取り付けても実際にはあまり使われず巡回の入浴サービスに任せるといった場合も多く見受けられました。

つまり個人住宅では、個々の状況によってバリアフリー工事の内容は大きく変わってくると思うのです。

ですから、あまりバリアフリーだからこうしなくてはいけない、というような考え方でなく、その時になって困らないように色々なパターンを想定し下準備をしておく、といった感じにしておくのが良いかもしれませんね。

例えば手すりを取り付ける可能性がある壁には前もって下地を入れておくようにしたり、床の段差は取り除いておく等、これだけでも後で大きく違います。

実際にはどちらの腕の握力が強いかで手すりの位置が右か左かなども変わりますし、お風呂も自宅で自分で入るのか、介護が要るのか、巡回入浴サービスを利用するのかで、どのようにリフォームするのか大きく違います。

そして家の中で全てを行おうとせず、行政や福祉の協力を得るような介護を考える事も必要ではないかと感じました。

リフォーム工事は住んでいらっしゃる方に精神的にも肉体的にもかなりの負担になります。バリアフリーに限らず、ある程度若い、リフォームする意欲があるうちに先々を考えたリフォームを早めにしておくことが大切なことだと思います。

経験や実績を山ほどつんでおられるYuuさんの説得力のある言葉は大変勉強になります。

Yuuさんのサイト「リフォームのホント・裏話」にはこちらからどうぞ。

ページの先頭に戻る

「空間」に掲載している文章や画像などの内容の無断転載を禁じます
Copyright(c) 2001-2005 空間 All rights reserved.



SEO 母の日 誕生日プレゼント無料レンタルサーバー プロフ SEO